フラッグシップビールができるまで vol.3
~ナギサビール~
現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。ブルワリーの方々に、DREAMBEERで扱っているビールの開発秘話を伺います。第3回目は、「ナギサビール」の「アメリカンウィート」です。
ナギサビール
「ナギサビール」は、和歌山県の南岸に位置する白浜町にある。南国リゾートを思わせる豊かな自然と温泉に恵まれた「南紀白浜」で1997年に誕生して以来、地元の人や白浜を訪れる人はもちろんのこと、国内外に多くのファンを持つブルワリーだ。
創業者は眞鍋和矢さん。20歳の時に「ヱビスビール」を飲んだことがきっかけでビールに興味を持つようになった。やがてアメリカでビール造りを学んだ後に、生まれ故郷の白浜でナギサビール株式会社を設立した。
定番は「ペールエール」、「アメリカンウィート」、「IPA」、和歌山産の温州みかんを使った「みかんエール」の4種類。ほかにも限定醸造品として、南ドイツ発祥のヘレスラガー「ヘヴン」、軽やかで上品な口当たりの「ゴールデンエール」を揃える。
すべてのビールに共通しているのが、「繊細な味覚を持つ日本人が美味しいと感じるクラフトビールをつくる」ということだ。
口当たりがスムーズなアメリカンウィート
ナギサビールを代表する銘柄が、小麦麦芽を少量使った「アメリカンウィート」だ。口に含むと、穏やかな甘味と酸味によるスッキリした味わいの中にもふくよかさが感じられ、なめらかでスムーズな口当たりが印象深い。
現在、一般的には「アメリカン」という名前がついているビールはアメリカ産のホップが使われているが、ナギサビールのアメリカンウィートに使われているアロマホップはチェコ産のザーツホップだ。
当時、米国でもビアスタイルとしての「アメリカンウィート」カテゴリーは存在していなかった。ナギサビールのアメリカンウィートは、「アメリカンコーヒー」から想起したイメージからのネーミングだ。
「ナギサビール創業当初、先行他社が発売していた小麦麦芽系のビールは『ヴァイツェン』ばかりでした。『ヴァイツェン酵母を使用しない、もっと日本人にも合う小麦麦芽比率の少ない小麦系のビールを創作したい!』との
想いでつくったのがアメリカンウィート。大麦麦芽と小麦麦芽をヴァイツェンとは異なる比率の独自ブレンドにしています」(眞鍋さん)。
アメリカンウィートは創業時から醸造を開始している。会社設立当時の設備は撹拌機能がついていない安価なもので、つくれるビールの種類にも限りがあった。マッシュロイター釜(仕込み釜と麦汁ろ過釜)の麦芽の層をきれいにつくれなければ、麦汁ろ過作業の際に詰まってしまう。当時は、ビールを醸造するたびに気苦労が絶えなかったという。
「アメリカンウィートも、仕込み設備の設営に不備があったままの作業となったので、すべてがおそるおそるの作業。発酵がきちんとスタートするまでヒヤヒヤでした」(眞鍋さん)。
機材に不安を抱えつつの作業が続いたが、人一倍神経を使い仕上げていったからこそ、ビールが出来上がった瞬間は感慨深い。
「アメリカンウィートができて最初に飲んだのは私です。甘味と酸味の絶妙のバランスで、しっかりした味わいの中にも飲みやすさがありました」(眞鍋さん)。
ナギサビールのアメリカンウィートは、国内外のビールを評価する審査会「インターナショナル・ビアカップ」(JCBA主催)でも2020年・2021年と銅賞を授賞している。眞鍋さんの「日本人に美味しく飲んでもらいたい」という想いからつくられたビールは、これからも多くの人に愛され続けていくだろう。
眞鍋和矢さんがアメリカンウィートに合わせたいフード
ドイツ出身のシンドラー・ヴェルナーさんが、素材選びから製造まで一貫してドイツ製法で作った手作りハム&ソーセージがぴったり。化学調味料は使用せず、添加物も控えています。
ナギサビールをDREAMBEERで購入
■ ナギサビール アメリカンウィート
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/175
■ ナギサビール IPA
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/176