新規参画インタビュー vol.17
~嬬恋高原ブルワリー~

現在、日本全国から200以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でもひときわ輝くブルワリーの成り立ちや、DREAMBEERで新たに扱い始めたビールのご紹介をします。第17回は、群馬県吾妻郡嬬恋村の「嬬恋高原ブルワリー」です。

地元に根付き、独自の味わいを追求する、嬬恋高原ブルワリー

 創業は1997年。
 以来、オーナーブルワーの黒岩修さんは四半世紀以上に亘って、心を込めてビール造りを続けている。
「私は基本的に独学です。誰かに教わったという経験はほとんどありません。トライ&エラーを延々と繰り返しながら、味わいと品質の向上に努めてきました。おいしいと言って貰えたら本当に幸せです」
 元々は建設業界で仕事をしていたが、「自分のレストランを持ちたい」との夢が募り、脱サラを決意した。そして、「料理を提供するなら、それに合わせる自家製ビールも用意すると喜んで貰えるに違いない」とブルワリーを併設し、ブルワーになった。
「ビールは料理とのマッチングを考え、苦過ぎたり、香りが強過ぎたりといったエクストリームな仕上がりにならないよう配慮しています。最も重視しているのは全体のバランスです」
 DREAMBEERに提供中のIPAやペールエールもホッピーな味わいに偏り過ぎない、麦の風味も堪能できるおいしさを追求している。

醸造スタッフは黒岩さんひとり。常に品質と味わいの向上に努め、研究を怠らない。年間60klほどのビールを醸造している

できるだけ地元の原料を活かしたい

 地ビールとは、何か――。
 15年ほど前から黒岩さんが向き合っているひとつのテーマだ。
「イベントなどでお客様と直接言葉を交わす中で、地ビールとは何ですか、と尋ねられたことがありました。そして、はっとしました。お客様はその土地でつくるからこその魅力を求めているのだと気づかされたのです。私が生まれ育った群馬県吾妻郡嬬恋村ならではの、当ブルワリーならではのビールを造らねばとの気持ちになりました」
 黒岩さんは早速ホップの自家栽培をはじめ、近隣の農家さんに協力を仰いで大麦づくりにも着手。さらには製麦(麦を発芽させる工程)にも自ら取り組み始めた。
「もちろんビール造りに必要な全ての原料を地元で賄えるわけではありません。けれど力を入れれば入れるだけ、独自性のある味わいにつながっていくと信じています」
 農家としての顔も持つブルワー、黒岩さんの探究心は年々強くなっている。
2024年には、ビール造りに集中するため、いったんレストランを閉めることに。
「ホップの収穫時期とレストランの繁忙期が重なるため、これまではどうしても100%の力を注ぐことができていませんでした。しばらくはビールに専念したいと考えています。ブルワーとしてさらに成長していきたいです」

麦畑で作業中の黒岩さん。原料づくりにかかわることで、ビールへの愛情もいっそう深くなる
収穫間近の大麦とホップ。群馬県、そして嬬恋村ならではのビールの味わいを追求していきたいと黒岩さん

嬬恋高原ブルワリーのビールを地元の名産に

「高原地帯の嬬恋村は、6~9月の冷涼な気温や昼夜の温度差が大きいことからキャベツの一大産地になっていますが(嬬恋村は夏秋キャベツ出荷量が全国1位 ※2023年度 農林水産省調べ)、それ以外に名産と呼べるものが正直ありません。だから嬬恋高原ブルワリーのビールを新たな名産にしたいとの夢もあります。その意味ではDREAMBEERさんとご縁をいただけたおかげで、全国各地のお客様に味わって貰える機会を得られたことを、とても嬉しく思っています」
 ちなみに、仕込み水は嬬恋高原のおいしい湧き水を使用している。
 また、タンク内の清掃は薬品処理に頼らず自ら手作業で入念に行うなど、衛生管理を徹底し、間違いのない品質の維持に余念がない。
 現在は、酵母の研究にも勤しんでいる。
 地域と深くつながり、村の活性化に貢献したいという気持ちはずっと変わらない。
 情熱溢れる黒岩さんのビール造りに今後も注目し続けたい。

黒岩さんが「つまブルIPA」「つまブルペールエール」「つまブルピルスナー」と合わせたいフード

ホップの爽やかな香りと飲み飽きしない程よい苦味、飲みごたえのあるボディが特徴の「つまブルIPA」は、味にパンチのある餃子や麻婆豆腐と相性がよいです。ホップ、そして麦の風味を活かした「つまブルペールエール」は魚料理と合わせてみてください。鯛のカルパッチョやお寿司がおすすめです。爽快な苦味とスッキリとした喉ごしの「つまブルピルスナー」は濃い味の料理と合わせると互いの魅力が際立ちます。ガパオライスや担々麵との相性を試してみてください。

DREAMBEERで取り扱っている銘柄

つまブルIPA

つまブルペールエール

つまブルピルスナー