新規参画インタビュー vol.19
~HINO BREWING~
現在、日本全国から250以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でもひときわ輝くブルワリーの成り立ちや、DREAMBEERで新たに扱い始めたビールのご紹介をします。第19回は、滋賀県蒲生郡日野町の「HINO BREWING」です。
祭りを心から愛するブルワリー、HINO BREWING
「何杯でも飲みたくなる軽やかさ」と、「満足感のある飲みごたえ」を追求し、ファンが増え続けている人気のブルワリー、それが「HINO BREWING」だ。
代表の田中宏明さんが教えてくれた。
「祭りがきっかけで生まれたブルワリーです」
滋賀県蒲生郡日野町には、860年以上の歴史を持つ大きな祭りがある。
馬見岡綿向(うまみおかわたむき)神社の春の例祭、「日野祭」だ。
田中さんはそこでポーランド人のショーン・フミエンツキさんとイギリス人のトム・ヴィンセントさんに出会った。7年前のことだ。
「当時ショーンは日野に10年以上住んでいて、毎年日野祭に参加していました。トムは日野に移り住んで1年ほどのタイミングでした。私たちは意気投合し、祭りの後の親睦会も一緒に過ごしました。その際にトムがこう言ったのです。『みんなで面白いことがしたいね』。それが全ての始まりでした」
実家の酒店「酢屋忠本店」を継いで数年が経っていた田中さんは、本業の傍ら、新たに何かに挑戦したいと考えていたところでもあった。
「そこで興味のあったビール造りを提案してみたところ、ふたりが『それはいい!』と賛成してくれたのです」
何のためにクラフトビールを造るか
ブルワリーを立ち上げ、ビール造りをスタートさせるにあたり、まず3人で取り掛かったのが、コンセプトづくりだった。
「楽しく、長く、信念を持って取り組んでいくためには、ブルワリーとしてのミッションを決めることが、とても重要だと考えていました」
「地元の人々の魂といってもよい、特別な催しである『日野祭』にコミットしよう」
「祭りが好きで、祭りに本気で関わる自分たちだからこそのビールを造ろう」
「祭りの雰囲気をビールで表現し、祭りの認知度アップや、参加してくれる人たちを増やそう」
3人は何度も集まり、徹底的に話し合った。
そして「ビールと祭り」をコンセプトに決め、心をひとつにした。
「元々、日野祭は五穀豊穣を祈願する祭りです。米が原料の日本酒はもちろん、麦が原料のビールも御神酒として相応しいに違いない、そして大地への感謝にもつながるに違いないと考えました。また、日野祭りには参加する大勢の方が朝から晩までお酒を飲むという特徴があります。比較的低アルコールのビールは飲み疲れしにくいですし、喜んでくださる方も多いのではないかとの思いもありました」
国籍も世代も超えて、たくさんの人に愛される1杯を
ビールの醸造開始は2018年。
幸運なことに、醸造休止中だった日野町の「滋賀農業公園 ブルーメの丘」の設備を引き継げることになった。
「ドイツ式の伝統的な手動設備で、日本では数少ない『オープンファーメンター』という開放式のタンクを使って発酵を行っています。圧力のかからない自然な環境下で発酵を進められるので、酵母が元気よく働いてくれ、豊かな風味をもたらしてくれます。使いこなすのがかなり難しかったですが、ここ数年でようやく自分たちが納得できる味わいを生み出せるようになりました」
現在、DREAMBEERに提供しているのは、「ヤレヤレエール」「ドントヤレHAZY-IPA」。
どちらも、日野祭の神輿を担ぐ際の掛け声「ヤレヤレ! ドントヤレ!」から名付けた。
祭りをはじめとした屋外で楽しみたくなる爽やかな飲み口と、麦芽の旨味や甘味もしっかりと堪能できる、深い味わいづくりを目指している。
「祭りには国籍や世代を超えて人をつなげる一体感があります。私たちはそんな祭りのようなビールを造りたいと思っています。今後ますます品質の向上に努め、地元に深く根付き、地域活性化や伝統文化の保存・継承に貢献していきたいと思っています」
田中さんが「ヤレヤレエール」「ドントヤレHAZY-IPA」と合わせたいフード
田中さんが「ヤレヤレエール」「ドントヤレHAZY-IPA」と合わせたいフード
シトラスの香りと爽やかな苦味、モルトの甘味をバランスさせたドリンカブルな味わいの「ヤレヤレエール(ペールエール)」は、濃い味付けの料理がマッチします。個人的には甘辛い照り焼きバーガーと合わせるのが好きです。シトラスの香りと優しく滑らかな口当たり、シャープな苦味を楽しんでほしい「ドントヤレHAZY-IPA」は、塩味のある生ハムや香ばしいピザを合わせるのがおすすめです。