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デジタル化&省スペース化された「スマートタップ」が新登場
全国のクラフトビールを自宅にいながら堪能できるサービスとして人気を博すドリームビア。熱心なクラフトビールファンの間では、1.5リットルのペットボトルが2本入るダブルサーバーが人気である一方、「リビングやキッチンにさりげなく置きたい」という声も聞こえていた。そんな声に応えるべく、省スペース化とデジタル技術によって使い勝手を格段に向上させた「スマートタップ」が登場した。ここでは、その詳細をお伝えする。
ビール王国47号から転載
撮影:玉井幹朗/後藤敦子 取材:編集部
クラフトビールファンの多様化するニーズに応え誕生
日本全国のクラフトブルワリーを束ねるプラットフォーム──というビールファンの潜在ニーズを掘り起こし、会員数を増やし続けるドリームビア。いまや参画ブルワリーも100社に届く勢いだ。会員数が増えれば、ニーズも多様化する。そのひとつが、省スペースのサーバーである。
ドリームビアの担当者によると、サービス開始当初は、いわゆるマニア層が中心だったため、その大きさは「存在感」としてむしろ歓迎されていたという。特に男性ユーザーは、そのガジェット感に賛辞を贈る人が少なくないようだ。しかし、一般的なビールファンが増えるにつれ、省スペースや使い勝手の向上を望む声が高まってきたそうだ。
そうした声に真摯に向き合って開発されたのが、今回紹介する「スマートタップ」だ。その特徴は、①デザインを刷新することで従来の性能はそのままに高さ460㎜、奥行290㎜、横幅165㎜という、大幅な小型化を実現したこと。②専用アプリとビールサーバーをBluetooth 通信でつなぎ、ビールの残量や銘柄ごとの最適な温度設定をスマホに連携する機能が追加されたこと、の2点にある。「残量」は、ビールが収納される部分に取り付けられたセンサーがペットボトル内の液面を3段階で検知する仕組み。あの「もう一杯注げるかな?」と淡い期待を寄せながらタップを倒し、「ブシュブシューッ」という寂寥感たっぷりの空しい音を聞かずに済む。
「最適な温度設定」は、このスマートタップを「極上の一杯を飲むための最右翼の手段」に押し上げる機能と言えよう。というのも、本誌でも機会あるごとに触れているが、ビールに限らず、日本酒やワインには「適温」がある。
アルコール度数の低いデリケートなビールでは、その影響が特に顕著だ。適温から大きく外れると、醸造家が意図した本来の味や香りが十分に楽しめない。
誤解を恐れずに言えば、キンキンに冷やしてうまいと感じるのはのど越しだけであり、麦の旨味やホップの香りは温度が低すぎると決して堪能できない。人の味覚は、低温に対しては鈍くなるからだ。氷をたっぷり浮かべた炭酸ジュースはおいしく飲めるのに、ぬるくなると異様に甘く感じるのはそのためだ。
ビアパブやタップルームなどの専門店では、同じ冷蔵庫に複数の銘柄の樽を入れるため、ひとつひとつの銘柄に対しての温度管理は現実的に難しい。今宵飲むビールを、ふさわしい温度で迎える──。それはスマートタップが叶えてくれる特権だ。
全国のクラフトブルワリーを束ねるプラットフォームとしての存在理由
ここで、ドリームビアのサービスについて概要をおさらいしておこう。このサービスでは、現在800とも900ともいわれる日本のクラフトブルワリーの中から、ビールのクオリティはもちろん、醸造設備等の安全面も考慮して、同社が厳選した98ブルワリー/277銘柄をラインナップ(25年7月現在)。会員はその中から好みに応じてオーダーできる。
オーダー方法は、あらかじめ好みのビアスタイルを設定して銘柄の選定をドリームビア社に任せる「おまかせパック」で行うが、“ビールルガチャ”的な楽しみがあり、好評を得ている。実際、取材したユーザーは「自分ではきっと買わないだろうと思っていたビールが、届いて飲んでみると美味しくてびっくりしました」と、思わぬ出会いに言葉を弾ませていた。また、おまかせパックは「銘柄指定」機能により、毎回好みの銘柄を指定することも可能だ。ビアスタイルや料理、地域など多様な切り口で検索できるので、選ぶ楽しみも味わえる。
ビールを大切に取り扱う姿勢によって多くのブルワリーの賛同を得る
277銘柄ものビールがひとつのプラットフォームに集結していること自体、驚くべきことだが、それらすべてのビールがブルワリー出荷時から自宅に届くまで冷蔵状態が保たれ、専門店と同じ構造のタップを搭載した本格的サーバーで楽しめるというのも大きな特長だ。
これは、ドリームビアが全国のクラフトブルワリーと協業・共生を目指しているからこそ。こうした「ビールのコンディションを最優先に考える」姿勢に、多くのブルワリーが賛同し参画しているのだろう。
一方で、ユーザー側に目を向けると、コロナ禍以降、宅飲み(家飲み)を志向するビールファンが増え、ドリームビアの会員数の増加は、まさにそうしたニーズと合致した結果といえる。
そして今回のスマートタップの登場により、その流れはさらに加速していくだろう。
自分たちが心血を注いで造ったビールを、最高の状態で届けたいというブルワリーの願いと、それを存分に堪能したいというビールファンの期待を乗せるプラットフォーム(基盤)として、ドリームビアの存在は、ますます重要になっていくだろう。


この数のブルワリーが賛同していることからも、クラフトビールを最高の状態で楽しむためのプラットホームとしての大きな期待が寄せられていることが伺える



Bluetooth通信でスマホアプリと連携し、ボトル残量表示や銘柄毎の推奨温度設定など、未知のビアライフが体験できる
使い勝手を熟慮した新設計

スマートタップでは、ビールサーバーの3つの要素[サーバー・ボンベ・ケグ樽]を、コンパクトに凝縮。背面デザインもスッキリさせた。排熱のためのスペースは不要なので、キッチンカウンター等の壁にぴったりつけて設置可能

業務用にも使われている本格スペックのタップハンドルで、手前に倒してビールを注ぎ、奥に倒してクリーミーな泡を盛り付ける

PETボトル上部にマグネット式で装着できる断熱材だ。保冷能力を高め、結露の発生を防ぐ機能も併せ持つ

サーバー前面下部を引き出すと簡易な受け皿に。内部が結露しても受皿に流れ、簡単に外して洗えることも嬉しい