「売るため」ではなく「知ってもらうため」
DREAMBEERが開催する「クラフトビール総選挙」が目指すもの
開催地の地元ブルワリーを中心に、厳選されたクラフトビールが楽しめるとあって、にわかに注目を集めているDREAMBEERの「クラフトビール総選挙」。その名前から「投票イベント」の印象が強いが、その狙いは、クラフトビールの楽しさやおいしさを、より多くの人に知ってもらうことにあるという。昨年、浜松市で開催された同イベントを取材すると、その本質が見えてきた。
ビール王国49号から転載
撮影:齋藤 明 取材:編集部
まずは、「クラフトビール総選挙」を取り仕切るDREAMBEER 社の滝沢亮さんに、開催意図を伺った。
「このイベントの目的は、ビールをたくさん売ることではありません。現在、日本のクラフトブルワリー――発泡酒やビール免許の取得業者――は、1000 社を超えたと言われています。そうしたクラフトブルワリーのビールは、地元の農産物を使うなど、個性豊かなものが少なくありません。我々DREAMBEER では、全国各地のクラフトビールを、ご自宅にいながら全国を旅するように楽しんでもらうためのプラットフォームとして、多くのクラフトビールファンに評価をいただいております。しかし、残念ながら、まだクラフトビールをご存じでない方も少なくありません。そうした方々に、クラフトビールのおいしさや楽しさを知ってもらうために、このイベントを開催しています」
クラフトビール総選挙は、あくまでDREAMBEER の「自宅に居ながらにして全国のクラフトビールを楽しめるプラットフォーム」としてのサービスの利便性と、多彩な味わいを誇るクラフトビールの楽しさやおいしさを体験してもらうための、いわば「クラフトビールの入口」として位置づけられている。
全国から厳選された20銘柄
あえて「尖りすぎない」ラインナップ
イベントで提供されるビールは約20銘柄。今回は浜松開催ということもあり、静岡県のブルワリーを中心に、北海道から九州まで、全国各地のブルワリーを網羅する構成だ。
DREAMBEER のサービスでは、1ブルワリーで複数銘柄を扱うことも多いが、このイベントでは「1ブルワリー1銘柄」を基本ルールとしている。銘柄選定の基準も明確だ。
「なるべく多くの方に楽しんでいただけるように、特殊すぎるスタイルは入れないようにしています。先述したように、あくまでもクラフトビールの楽しさやおいしさを知ってもらうためのイベントですので、『普段あまり(クラフトビールを)飲まないけれど、飲んでみたら面白い』と思ってもらえるよう、クラフトビールの入口として勧めたい銘柄を揃えています」
IPA やヘイジーIPA といった定番スタイルを軸にしつつ、黒ビール(ポーター系)など、見た目や印象で興味を引きやすい銘柄も、バランスよく配置されている。
偏りすぎないよう、スタイル構成には特に気を配っているという。
「総選挙」はあくまでも「きっかけ」
一緒につくり上げる感覚を大切に
イベント名にもなっている「総選挙」は、会場内に設けられた投票所で、お気に入りのビールに、来場者が投票する仕組みだ。しかし、滝沢さんは「投票自体がゴールではありません」と話す。
「正直なところ、結果発表を大々的に行うわけでもありませんし、投票は、来場者の方にイベントを一緒につくっていくという感覚を持っていただくためのものです。それでも、おかげさまで、お越しいただいた方の半数以上が投票してくださいます」。この「イベントを共につくる」という、自分が参加しているという感覚を味わえることで、来場者の満足度も高まっているに違いない。 全国のクラフトビールを気軽に楽しめるイベントとして、ぜひ注目していただきたい。なお、イベントの開催地やスケジュールなどは、同社サイトで確認してほしい。





イベントに来場していた方々からも、大満足の声!

普段からクラフトビールを楽しまれているという松原啓輝さん、章世さんご夫妻。アトラクションのひとつである「利きビール」にチャレンジされていた。3つのグラスと回答用紙に書かれた銘柄(ビアスタイル)を合わせるというゲーム(1回700円)で正解者にはクラフト缶ビールがプレゼントされる。啓輝さんは絶対の自信がありそうだった

会社の同僚で隣接する遠鉄百貨店のレストラン街で飲み会をしようと訪れたところ「クラフトビール総選挙 in浜松」が開催されていることを知り、急遽クラフトビールでの宴席となった。「こうして、気軽にいろんなクラフトビールが飲めるイベントはいいですね」と、みなさん異口同音に「クラフトビール総選挙」を評価。人気のセッションIPAを選ぶ方やポーター(黒ビール)を選ぶ方など、幅広いオーダーに応えるラインナップはさすがDREAMBEERのイベントならではだ

イベントをお目当てにやってきた、根っからのクラフトビールファンのお二人。実はそれぞれ“ソロ”での来場だが、杯が進むにつれ旧知の仲のように話が弾んでいた。クラフトビールには、実に笑顔がよく似合う





