気鋭のブルワーが、いま取り組んでいること
~ Brewlab.108 ~
ビール王国47号より転載
人と人のつながりを大切にビールの可能性を探求中
2020年に創業した「Brewlab.108」に驚かされたビアファンは多かったことだろう。醸造開始からわずか1年足らずで、「ジャパン・グレート・ビア・アワーズ」にて銀賞を、「インターナショナル・ビア・カップ」にて金賞とカテゴリーチャンピオンを受賞したのだ。あれから5年、オーナーブルワーの加藤克明さんは今、何に熱心に取り組んでいるのだろう。

山形の魅力を多くの人に伝えたい
明るく優しい人柄と、溢れるクラフトビール愛に魅せられ、加藤さんには時々コンタクトしたくなる。「相変わらずバタバタとやっておりますが、元気です!」
益々精力的に、多種多様なビール造りに取り組んでいるとのこと。
「地元の農作物や生産者さんを知っていただく機会を生み、また地域活性化にも貢献できる。これもクラフトビールの大きな魅力だと思っています。開発力と技術力に磨きを掛け、世界に山形をアピールできるブルワリーになっていきたいです」。これは、以前取材させていただいた時の加藤さんの言葉だ。現在は、さらに活動の幅を広げているという。
「直近ですと、今年の春頃になりますが、山形県尾花沢市細野地区における鳥獣被害対策に、ビールで一役を担う活動に取り組みました。放置された柿の木が増えたことで、烏や猿、熊などが住宅地を荒らす被害が頻発するようになっていたのですが。その放置された柿の実を有効活用することで、鳥獣がやって来るのを防ごうと。地区の方々が手掛けた干し柿を副原料としてビールに活かすのが私の役割でした」
甘く柔らかな柿の風味が香るアイリッシュエールに仕上げた「#五十 Hoshigaki-Beast Busters-」は好評を博し、大変喜ばれたとのこと。
山形の老舗和菓子店「佐藤屋」と取り組んでいる一年に一度のペアリング企画も、「とてもよい刺激になっています」と加藤さん。
「材料に『Brewlab.108』のビールを使った和菓子を、8代目店主の佐藤慎太郎さんに考えていただき、その使用したビールと新作和菓子のペアリングを楽しむという会を毎年企画しています。クラフトビールの可能性を改めて実感させて貰っています」
さらには、2025年度内に山形新幹線「つばさ」の全ての車両がE8系に置き換わることから発足した「つばさ、つなぐ。」プロジェクトとも関わることに。オリジナル商品のひとつとして、「Brewlab.108」の「#055Yamabudo 限定ラベル」が6月1日から発売されている(売り切れ次第終了)。
この他にも、まだ発表することのできない取り組みを幾つも進行中というのだから、加藤さんのバイタリティには感服するばかりだ。
目標は「Japan Origin」のビール造り
加藤さんには、「前例のない副原料を用い、今までにない新たなビールテイストを生み出したい」との思いが常にある。
それを創業間もなく具現化したのが人気銘柄「# 008 Date」だ。活かしているのは「デーツ」。前職のエンジニア時代に赴任したサウジアラビアで日常的に食べられており、また世界広しといえど副原料にしているブルワリーは稀に違いないと考え、使用を決めた。
デーツのコクと、カルダモンのスパイシーな香りをバランスさせ、エキゾチックな味わいに仕上げられており、飲むと心を奪われる。そして現在、加藤さんの最大のテーマになっているのが「和テイスト」だ。
「Brewlab.108」の代名詞になるような、「Japan Origin」と呼ぶに相応しいビール造りを実現したいと意欲を燃やしている。
山形の、そして日本の魅力を世界へ――。
加藤さんの挑戦は続く


赴任し、石油化学コンビナートの立ち上げに取り組んでいた頃の加藤さん。イスラム教の戒律に従い、禁酒生活を余儀なくされ、2年間大好きなお酒を飲めなかったことが、ブルワーへの転身のひとつのきっかけになったとか


Brewlab.108
山形県天童市久野本1273-2 将棋むら天童タワー内
https://brewlab108.com/





