ブルワーおすすめのペアリング vol.3
〜那須高原ビール〜

カラメルを思わせるビールに合わせたいペアリング

現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。醸造家（ブルワー）の方々に伺った、ご自身がつくったビールを合わせたいお料理をご紹介します。第3回目は、栃木県那須郡那須町の緑豊かな国立公園の中にブルワリー（醸造所）をかまえる那須高原ビールの社長であり、チーフビアプロデューサーも務める、小山田孝司さんです。

那須高原ビール

那須高原ビールは、天皇皇后両陛下・皇族方のご静養の場として使用される那須御用邸もつくられた、那須連山の豊かな森と清らかな雪解け水に恵まれた環境の中にある。「この豊かな自然の中でおいしい地ビールを飲んでもらい、生きている喜びを感じてもらいたい。『おいしさに愛と幸せをのせて』を合言葉にビールを醸造しています」と、小山田さんは言う。

代々続く家具屋を継いで事業をしていた小山田さんだが、1994年の酒税法改正を受けビール造りにチャレンジしようと決心した。ドイツで約50ヶ所のブルワリーを飲み歩き、ハンガリーで研修を受けた後、エチゴビールのブルワーを務めていたガーナ出身のバワ・デムヤコさんの指導を受けて醸造をスタート。

1996年の秋に那須高原ビールのブルワリーと直営レストランをオープン、昨年で25年という節目の年を迎えた。DREAMBEERでも提供している「イングリッシュエール」「スコティッシュエール」をはじめとする定番5種類のほか、寝かせることでより味わい深くなる長期熟成ビール「ナインテイルドフォックス」など、年間約20種類の限定ビールやヴィンテージビールを醸造している。

那須高原ビールがビールづくりで大切にしていることは、「基本に忠実である」ということだ。特にタンク洗浄は基本中の基本であり、原材料の保管、醸造中の温度管理にも細心の注意を払う。

「突き詰めれば『人としての基本がしっかりできているかどうか』が大事だと思っています。ただビールを造るのではなく、本当に皆さんに楽しんでもらうビールをつくろうという想いが込められたビールは、また一味違うと思うんですね」

その言葉を裏付けているのが、イギリスのペールエールのスタイルを基本通りにつくっている「イングリッシュエール」。麦芽の風味とホップの香り、苦味のバランスの良さが絶妙だ。「イギリスで飲まれるようにゆっくりと味わうのがおすすめです」（小山田さん）

DREAMBEERで提供しているもう一種類のスコティッシュエールは、スコットランドの伝統を受け継ぐ褐色のビール。原材料に焦がした麦芽を使っているため、カラメルのような香りと麦芽の甘味が楽しめる。

このスコティッシュエールに合わせてほしいと小山田さんが勧めてくれたのが、同じ那須高原にある「あまたにチーズ工房」の「チーズのたまり漬（割けるチーズ）」だ。チーズの熟成した香りとたまりの焦げ感が、カラメルを思わせるスコティッシュエールの香ばしさ、ほのかな甘味と融和していくのがたまらない。

あまたにチーズ工房では、那須では珍しい放牧スタイルの酪農を行っている「真庭牧場」の新鮮な生乳を使用。添加物などを使わずに昔ながらの製法で少量生産している。

「あまたにチーズ工房の、チーズをたまりづけにするという発想が画期的だと思います。マイクロブルワリーでつくるビールは、味がしっかりしていることが多い。そんなビールに負けない存在感がありますね」と小山田さん。

もちろん、麦芽の香りがしっかり楽しめるイングリッシュエールとの相性も抜群だ。たまり漬チーズをおつまみに、スコティッシュエールとイングリッシュエールを合わせて違いを味わう、そんな乙な愉しみ方もおすすめしたい。

小山田孝司さんのおすすめチーズ屋さん

あまたにチーズ工房
https://www.sumishiro.com/

＜コメント＞
「あまたにチーズ工房のある場所は、那須でも山岳地域で交通の便がいいとは言いにくい。それでも多くのお客さんがわざわざ足を運ぶほど、職人が丁寧につくるチーズに惚れ込む人が多いのだと思います」（小山田さん）

那須高原ビールをDREAMBEERで購入

■ 那須高原ビール イングリッシュエール
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/151

■ 那須高原ビール スコティッシュエール
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/191