新規参画インタビュー vol.02
~OGA BREWING~

現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でもひときわ輝くブルワリーの成り立ちや、DREAMBEERで新たに扱い始めたビールのご紹介をします。第2回目は、東京都三鷹市の「OGA BREWING」(株式会社小笠原商店)です。

OGA BREWING

「OGA BREWING(オージーエー ブルーイング)」は、同ブルワリーを運営する株式会社小笠原商店の代表を務める小笠原恵助さんが、東京・23区の西隣りの多摩地域に位置する三鷹市で初めてビールづくりを始めたブルワリーだ。

「ローカルビア」をキーワードに、DREAMBEERでも提供している「三鷹ペールエール」「吉祥寺IPA」を定番とするほか、三鷹の農作物を使った「M.Cシリーズ」、三鷹駅のある中央線の各駅をイメージした「中央線 GO WEST」、「タツノコプロ」や「東京ヴェルディ」など、地域にゆかりの深い企業やアーティストとコラボレーションしたビールなどをつくっている。

社会人になってからすぐに建築業に携わり、その後グラフィックデザインの仕事や広告代理店を営んでいた小笠原さんは、「箕面ビール」の「WIPA」に出合ってからのビールファン。自身が経営する会社でクラフトビールのボトルのラベル制作に携わったことをきっかけに、ラベルデザインを自主プレゼンとして全国のブルワリーへ提案するようになった。その過程でさらなるクラフトビールの魅力に触れて理解を深めたことで、「全国のクラフトビールを飲める店舗をつくりたい」と考えるようになる。

他分野で活躍してきた小笠原さんの発想はユニークだ。現在、「ジャケ買いしたくなるようなラベルをデザインしてみよう」と、デザインコンペ「目指せ! ジャケ買い」を実施中。隈研吾さんら、錚々たるメンバーが審査員をつとめる。

2013年4月、その想いはJR三鷹駅南口にビアバー「Drunk bat(ドランク バット)」を開店することで結実、2年後には2店目のビアカフェ「Camiya(カミヤ)」を隣駅の吉祥寺でオープンさせた。

「来店する人みんなに、クラフトビールの美味しさや魅力を語りまくっていました」と小笠原さんは当時を振り返る。「ただ、人がつくったビールを売っているだけでは十分に伝えきれていない気がして。やがて『自社ブランドのビールをつくってお店で提供する』構想をお店に来てくれた人たちにどんどん語って、夢に巻き込んでいきました」(小笠原さん)。

当初はファントムブルワリーとしてOEM製造を行っていたものの、2018年には醸造施設を備えたブリューパブ「café HOOOOP(カフェ フープ・現OGA BREWING CAFE)」をオープン。同年8月に発泡酒製造免許を取得し、翌年1月から念願のオリジナルクラフトビールの発売を開始した。

醸造設備を備える「OGA BREWING CAFE」。店内ではできたてのビールに加えて、グリルドサンドイッチをはじめビールとの相性のいいおつまみが楽しめる

現在、醸造スタッフは小笠原さんともうひとりの2名、全体ではアルバイトも含めて8名。驚くことにすべての人が、かつては店舗に来てくれた客だったという。取材中、小笠原さんは何度も「巻き込んだ」という言葉を口にした。「ビールのことはもちろん、自分が今後やりたいことや目標などを語りまくって巻き込みました。賛同して応援してくれる人たちが、今も大きな力になってくれています」という言葉からも、小笠原さんが何年もかけて、カウンター越しに熱っぽく語り続けていた様子が伝わってくる。

人に寄り添うビールをつくる

小笠原さんのビールづくりのアプローチは、少々ユニークだ。レシピづくりの前には、必ず「ビールを飲んでいるシチュエーション」「時間帯」「使っているグラス」「誰と飲むのか」「飲むスピード」までを細かく落とし込んで想像していくのだという。

「たとえば、『サッカーのワールドカップを見ながら飲みたいビール』をつくるとしますよね。先日は朝4時からの日本戦があったので、『夜中から明け方にかけて』飲むことを考えました。

その後はどんなことを想定するか──。仲間と集まって観戦しているならワイワイ応戦するテンションに合わせてカスケードをたくさん使った香り華やかな6%くらいのIPAがいいかな、応援しているチームが劣勢であればゆっくり飲めるハイアルコールもありだし、翌日に仕事に行く人ならばローアルやノンアルがいい。これなら、試合運びを分析しながら飲めますしね。『サムライブルー』に合わせて液体を青くしたら、より一体感が味わえるかな……など」

OGA BREWINGの醸造施設は、300ℓの仕込釜と同容量の発酵タンクが4本、600ℓを4本そろえる

ビールづくりに携わるようになって、建築やデザインを通して培ってきた感覚との共通点も大いにあると、小笠原さんは肌で感じている。

「最初に自分がつくったものを受け取ってくれる人のことを具体的に考え抜いて、設計したり構造を考えたりして骨格を決めてからつくりはじめます。ビールづくりでも同じこと。ビールを飲む人の気持ちにとことん寄り添ったビールづくりをし続けたい」

“ものづくり”は、受け取る相手あってこそ。OGA BREWINGのビールは、飲み手の私たちに「どんなシチュエーションを想像しながらレシピを考えたのかな」と思いを馳せる楽しみを与えてくれている、とも言えるだろう。

小笠原恵助さんが三鷹ペールエールに合わせたいフード

時間の流れがゆったりしている、自然と融合した街でゆっくり味わいたいイングリッシュペールエール。麦芽やホップの特徴が素直に味わえます。出汁のきいたおでん──玉子、ちくわぶ、大根はいかがでしょうか。しっかり下味をつけた鳥肉団子もいいですね。

OGABREWINGをDREAMBEERで購入

■ 三鷹エール

■ 吉祥寺IPA

■ MUNI えらぶゆりビール