ローカルビールに会いにゆく
~横須賀ビール~

ビール王国39号から転載

日本各地に散らばる「ローカルビール」の情報を、現地ライターから直接お届け。今回の舞台は大都市から日帰りで遊びに行ける街のブルワリーです。日々のお仕事に辟易したら、電車に飛び乗って初めての街を探検してみるのも、気持ちが切り替わっていいかもしれません。ビールを通してその街がぐっと身近になり、好きになる。あなたの“ 好き” を増やしてくれる、とっておきのブルワリー情報です。

【神奈川編】横須賀ビール

地元の誇りをビールで表現
土地の魅力伝える横須賀ビール

 横須賀は表情豊かな街だ。中心部にある「どぶ板通り」を歩けば、アメリカンなお店が軒を連ね、様々な国の人と出会う。異国情緒に溢れ、賑やかで刺激的。でもそこから少し車を走らせるだけで、半島特有の美しき海岸線や、青々とした畑が広がる。
 横須賀ビールは、そんな横須賀の魅力をビールと料理で雄弁に語ってくれるブルワリーだ。地元産の椎茸や生姜を使用した定番ビールに、採れたて野菜をたっぷり使った料理たち。地の食材をふんだんに使用したメニューはキラキラしたパワーで満ちていて、舌に乗せた瞬間に身体が喜ぶのがわかる。
 ヨコスカネイビーバーガー、よこすか海軍カレー、そしてチェリーチーズケーキ。ご当地グルメを食べつつクラフトビールを飲めば、横須賀という地がぐっと身近になること間違いなしだ。
 横須賀ビールを経営するのは、横須賀や三浦半島の食材にこだわった飲食店を展開する「有限会社たのし屋本舗」。長きに渡り農家さんとの深い関係性を作り上げてきた彼らだからこそ、ビールや料理のための良質な食材を豊富に入手することができるのだという。
 地元を応援し、地元に応援される。そうやって横須賀ビールは街を盛り上げてきたのだ。
 横須賀ビールのグラスは大きい。そしてリーズナブルだ。
 「都心から横須賀に来ると電車賃がかかるので、その分安く設定しています」そう醸造長の鈴木さんは語る。個性豊かなのに飲み飽きず、笑いながら大きな口で飲みたくなるビールたち。横須賀ビールには、誰をも受け入れてくれるような懐の深さがあるのだ。
 心地よく酔いがまわったら。ぜひ駅までの道をゆっくり散歩しながら帰ってほしい。心地よい潮風に、ディープな横須賀の雰囲気。それらはきっと行きよりもずっとあなたをわくわくさせてくれるはずだ。

米軍横須賀基地から汐入駅に続く商店街「どぶ板通り」。ネイビーバーガーや海軍カレー、スカジャン専門店などが軒を連ねる。アメリカンなバーも多く、夜になると賑やかさが一層増す。横須賀ビールはそのどぶ板通りの入口にある
ドブイタハッピー(ペールエール)と季節の横須賀野菜サラダ~特濃玉ねぎドレッシング~、そしてヨコスカプライドポテト。爽やかな苦味とモルトのバランス感が素晴らしいドブイタハッピーは、どんな料理にもよく合う。日替わりの横須賀産野菜を使用したサラダは、噛みしめる度に野菜の甘みとコクに驚く。玉ねぎをこれでもかと使用した濃厚ドレッシングをつければ、最高のツマミになる。
猿島エール(セッションIPA)とヨコスカビールの肉盛り合わせ。横須賀の無人島「猿島」をイメージしたシーズナブルビール。グレープフルーツ果皮のような存在感ある苦みと、じんわりと残る余韻が美しい。工夫を凝らしたヨコスカビールの肉盛り合わせとの相性は抜群だ
横須賀ビール醸造所は建物の1 階にあり、お店の扉をあけるとたくさんのケグが出迎えてくれる
横須賀には美しい自然がたくさんある。写真は横須賀を代表する夕日スポットである荒崎公園。自然が生み出した岩場の美しさは圧巻だ

横須賀ビール

神奈川県横須賀市大滝町1-23
☎ 046-874-8588
営/土・日・祝11:00 ~ 15:00、
  15:00 ~ 22:00
月・火・木・金11:00 ~ 15:00、
  17:00 ~ 22:00
休/水
【アクセス】
京急本線 横須賀中央駅 徒歩5 分
京急本線 汐入駅 徒歩5 分
※コロナの影響で営業時間や形態が変更になる場合があります。
 HP 等で最新の情報をご確認ください。

■ ライタープロフィール
ルッぱらかなえ(小林加苗)
ビールに心臓を捧げたクラフトビールライター。愛するビールの魅力を多くの人に伝えるべく、記事や長編小説執筆、ショート動画作成、作詞、ビールイベントでのビール占い(タロット)など多岐に渡って活躍中。旅するように暮らしており、沖縄から移動し現在は横須賀に住んでいる