日本のブルワリー探訪 vol.13
~大沼ビール~
現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でも長きに亘り日本のクラフトビールシーンに貢献してきたブルワリーにスポットを当て、各々がビールづくりで大切にしている考え方を中心にご紹介します。第13回は、北海道亀田郡七飯町大沼町の「大沼ビール」です。
北海道の豊かな自然が生んだ、大沼ビール
「大沼ビール」がある北海道亀田郡七飯町大沼町は、秀峰「横津岳」の麓に位置し、「水がおいしい地域」として知られている。
醸造責任者の蜂矢寛さんが教えてくれる。
「元々先代の社長が横津岳の伏流水の水質のよさに注目し、ミネラルウオーターの会社を立ち上げたのが始まりでした。その後、せっかくおいしい水があるのだから地元の特産品をつくろうと、1997年から着手したのがビールの醸造でした」
大沼の水は、軟水で口当たりが柔らかい。
蜂矢さん自身、生まれた時から飲んでいる、思い入れのある水だ。
「水のおいしさを活かした、すっきりときれいでコクのある、北海道の豊かな自然を感じていただけるビール造りを追求しています。ぜひ味わってみてください」
ひとりでも多くの人にクラフトビールのファンになって貰いたい
「初めて口にする味わいが、以後、その人のクラフトビールに対する印象になる」との思いがある。
大沼ビールを飲んで、「こんなにおいしいのなら、他のブルワリーのクラフトビールも飲んでみようか」という気持ちになって貰いたい。
少しでもファンを増やし、業界を盛り上げ、クラフトビール文化が日本に根付くよう貢献すること。それが蜂矢さんの目指すところだ。
「最初の印象が悪ければ、またクラフトビールを飲んでみようとは思って貰えません。ゆえに責任重大です。常に緊張感を持って、自分たちの能力を総動員してビール造りに臨んでいます」
「大沼ビール」は創業当初より、質の高い骨太なドイツスタイルのビール造りに軸足を置きながら、少しずつ手掛けるビアスタイルを増やしてきた。
仕込みごとにデータを取り、分析を怠らない。
間違えのない品質を維持するため、衛生管理には特に神経を使っている。
蜂矢さんが醸造責任者になったのは2014年。
ブルワーとして高い意識を持つようになったのは、ビールイベントへの参加がきっかけになったとのこと。
「それまで接点のなかったクラフトビールメーカーの社長やブルワーの方々とつながることができ、信念のある考え方や、味わいや品質をとことん追求する姿勢に触発されました」
いつも気を付けているのは、ブルワーとして独りよがりにならないこと。
周りの声にしっかりと耳を傾け、「お客様に満足して貰うこと」を何より大切にし、品切れさせることなくコンスタントにビールを届けられる販売計画にも心を砕く。
「頼りになる若手ブルワーも育ってきていますので、心をひとつにして精進して参ります」
これで私はフル充電
「大沼ビール」が情報を発信しているSNSや、イベントの告知用に作成するポスターなどで、ビールの写真と一緒に度々登場する言葉がある。
「これで私はフル充電」というキャッチコピーだ。
蜂矢さんがとても気に入っている、そして大切にしている言葉だという。
「ビールはおいしいだけでなく、飲む人を笑顔に、そして元気にしてくれる力を持っていると思っています。私たちのビールを飲んで、『明日も頑張ろう!』という気持ちになっていただけたら、これほど嬉しいことはありません」
クラフトビール造りを通じて、道南地方を元気にしたいとの目標もある。
「DREAMBEERさんへの提供をきっかけに、全国のビアファンの方に大沼ビールを知っていただける機会が増えると期待しています。本当に感謝しています」
現在、DREAMBEERに提供しているのは、繊細な麦の風味が魅力の「ケルシュ」と、心地よく苦味を効かせつつも飲みやすさに配慮している「IPA」。
そこに近々、人気の「アルト」も加わる予定とのこと。
順調に需要が増えれば、醸造量拡大のための設備投資も視野に入れていると意欲を燃やす。
「大沼ビール」の今後の益々の飛躍に注目したくなる。
蜂矢さんが「大沼ビール ケルシュ」「大沼ビール IPA」と合わせたいフード
切れ味のよい飲み口とすっきりとした後口、穏やかな麦の風味が特徴の「ケルシュ」には、憎々しいソーセージを合わせるのが私は好きです。程よいボディと苦味、フルーティな香りをお楽しみいただきたい「IPA」には、ドライカレーなどスパイシーな料理を合わせるのがおすすめです。
DREAMBEERで購入
◆ ケルシュ
◆ IPA
◆ アルト