ローカルビールに会いにゆく
~三浦ブルワリー~

ビール王国42号から転載
取材:ルッぱらかなえ

海岸、港、岬、島をビールで表現
土地の魅力伝える三浦ブルワリー

三浦、それはとっぷり心と身体が満たされる場所。
 透明度の高い海に、豊かな自然。そしてそこかしこに広がる活き活きとした畑。市場を訪れれば、マグロや新鮮な野菜が出迎えてくれるこの場所は、「自然と食の宝庫」という表現がぴったりです。
 そんな三浦について、ビールを通じて雄弁に語るブルワリーが2023年11月に誕生しました。三浦ブルワリー、半島最南端の醸造所です。
 彼らの定番ビールは全部で4種類。それらは三浦半島南部の4つのエリア油壷、城ヶ島、三崎、三浦海岸をイメージして醸造されています。例えばマグロで有名な三崎のビールは、マグロ料理に合うアンバーエール。油壺のビールは、諸磯湾から見える美しい夕陽越しの富士山をイメージしたゴールデンエール、といった具合に、1本のビールの中に各土地を詰め込んでいるのです。
「三浦という地をもっと知ってもらい、活性化させたい」。そんな代表小松哲也さんの想いが込められたビールは、土地のあたたかさをたっぷりと含んだ味わい。それらをゆっくりと楽しんでいると、三浦という地が身体の中に溶け込んでくるような気持になるから不思議です。タップルームではビールのほか、地元の食材を使った料理も堪能することがで
きます。三崎のまぐろでつくった自家製ツナや、ビールに合うようにアレンジされた野菜たち。素材そのものの旨味を最大限に引き出したそれらは、口の中で圧倒的な存在感を発揮し、ビールを煽る手をさらに加速させてくれます。
 居心地の良いタップルームでビールを堪能した後は、周辺探索に出かけるのもおすすめ。海風を感じながら漁港まで歩いたり、ブラブラお店を眺めたり……。少し足を延ばせば、ウィートエールのモチーフになっている城ヶ島へ行くこともできます。
 ビールを通じて三浦を味わい尽くす。海風薫るこの地の「日常」にゆっくりと足を下すことで、その魅力をより身近で愛おしいものとして感じることができるはずです。

京浜急行で横浜から50分、三崎口駅にある三浦ブルワリー。醸造所併設のタップルームでは、出来立てのビールと料理を楽しむことができます。ドックフレンドリーなお店で、外席では愛犬とともにビールを楽しむことも可能
グロアンバーと三崎の食材を使ったおつまみ。モルトを贅沢に使用したこのアンバーは、しっかりと飲みごたえがありつつも食が進む味わい。特にまぐろとアボカドのユッケとの相性は最高です。おつまみの種類も多く、色によってその味わいが異なる三浦大根の食べ比べなど、三浦を舌で知ることができます
季節のビール(桜)と定番ビール4種。定番ビールは左から、油壷をイメージしたゴールデンエール、城ケ島をイメージしたウィートエール、三崎をイメージしたアンバーエール、三浦海岸をイメージしたIPA。どのようなイメージでこのビアスタイルになったのか、タップルームで話を聞きながら飲むとさらに味わい深いものに
雄大な景色を楽しむことができる城ケ島公園で飲む、城ケ島をイメージしたウィートエール。城ケ島公園は広々とした芝生や美しい天然磯があり、夕日スポットとしても有名。自然の中で飲むビールもまた格別です
城ヶ島の海。三浦半島の海はダイナミックで美しい

三浦ブルワリー

神奈川県三浦市三崎1丁目10-12
営/ 12:00 ~ 18:00
休/月~金(祝日は営業)
☎ 046-876-8095
【アクセス】
三崎口駅から京急バス「通り矢行」日ノ出バス停下車、
徒歩1分
※営業日や時間が変更になる場合があります。
 HP 等で確認してからお出かけください。
HP:https://miura-brewery.com/