200以上のクラフトビールの銘柄を家にいながら楽しめるビールサーバー「DREAMBEER」に新ブルワリーが続々参画!
ビール王国43号より転載
文:並河真吾
全国各地の個性豊かなクラフトビールを味わえる会員制ビール配送サービス「DREAMBEER」のラインナップがますます充実中だ。家飲みでも格別の一杯を楽しみたいビアファンにとってこれほど嬉しいことはない。新たに加わった意欲溢れる新進気鋭のブルワリーを紹介したい。
希望の丘醸造所
切磋琢磨のビール造りで希望が湧いてくる一杯を
牛たん専門店として全国展開し、人気を博している「利久」が、地元宮城への感謝の気持ちを形にするため、2022年に立ち上げたのが「希望の丘醸造所」だ。
ブルワリーのネーミングは、東日本大震災からの復興を祈念して岩沼市に設置された「千年希望の丘」にあやかっている。
コンセプトは、宮城県産の食材を積極的に副原料として活用すること。また、「利久」らしく牛たんにマッチする味わいを追求すること。ヘッドブルワーの大平洋介さんが教えてくれた。「クーレット(DREAMBEERに提供)に使用しているゆずや、岩沼市の特産品であるポポーをはじめ、ぶどうやブルーベリー、米など扱っている原料は多岐にわたります。何杯でも飲みたくなるドリンカブルな仕上がりを目指しています」
「希望の丘醸造所」では、銘柄ごとにメインの醸造担当を据え、各自が責任を持って味わいと品質をブラッシュアップしていく、という体制をとっている。
「ワントップだと、視点や考え方が凝り固まってしまう可能性があります。各々が強い関心を持っているビアスタイルを担当し、学びや気づきや発見を常に全員で共有して、皆で成長していきたいと考えています」
NAT.BREW
普通のビールは造らない!個性ある味わいを追求中
富山県南砺市で土建業を営む藤井公嗣さんと、ワインの醸造家だった望月俊祐さんが出会い、「NAT・BREW」は生まれた。2022年のことだ。「私は元々山梨県でワインを造っていたのですが、妻の故郷である南砺市に移り住んだことで、藤井さんと縁ができました。クラフトビールで地元を活性化したいという目標に、私の知識や経験が役に立てばと考えています」と望月さん。
庄川のおいしい水と地元の素材を使用した、地域に根差したクラフトビール造りが「NAT・BREW」の信条とのこと。
「DREAMBEER さんに提供している『HEYHEYHOO』は南砺市利賀村で自生しているクロモジを、『KUMAMASSIGURA』は農家さんたちが手掛けている干し柿を副原料として使わせて貰っています。香り、味わい、液色等、どこかに個性が感じられる仕上がりを目指しています」。
酒は「楽しさ」の中にあるべきであり、関わる人すべてが「楽しい」と思えることにチャレンジしていきたいという。「南砺市は全国有数の木材加工技術を持つ町でもあります。木樽を活用したビール造りにも今後は取り組んでいく予定です。たくさんの人とつながり、心から楽しめたら幸せです」
SOUTH HORIZON BREWING
科学的アプローチを大切にし高品質のビールを提供
大阪を拠点に雑貨事業や食品事業を展開する株式会社チョカスが、高知県高知市で2023年に立ち上げたのが「SOUTHHORIZON BREWING」だ。
「弊社の事業部長が高知県出身でして、彼の地元に貢献したいとの熱い想いが出発点でした」と教えてくれたのはヘッドブルワーの中村託也さん。イギリスのスコットランドで醸造と蒸留を学べる「ヘリオット・ワット大学」で濃密な4年間を過ごし、その後は国内のブルワリーで経験を積んだ。
「すべての醸造工程において、可能な限り数値化、データ化を徹底し、問題点や改善点を可視化する――といった科学的なアプローチを重視し、安定して高品質なビールをご提供できるよう努めています。おいしそうに飲んでいただくのが何よりの喜び。ブルワーになって本当によかったと思っています」
近隣農家と連携し、ビールの主原料である大麦やホップの栽培にも力を入れているとのこと。「現在は、原料の一部として使用させて貰っている状況ですが、将来的には『オール高知産のクラフトビール』も実現し、それらを提供するレストランも含め6次産業化による地域活性化も目標にしています。楽しみにしていて貰えると嬉しいです」