新規参画インタビュー vol.22
~反射炉ビヤ~

現在、日本全国から250以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でもひときわ輝くブルワリーの成り立ちや、DREAMBEERで新たに扱い始めたビールのご紹介をします。第22回は、静岡県伊豆の国市の「反射炉ビヤ」です。

多種多様なクラフトビール造りが人気。反射炉ビヤ

「反射炉ビヤ」に出合ったことで、ビールに対する既成概念を覆された人は多いに違いない。
 様々な果物やスパイスを副原料として用いたり、あらゆるジャンルの専門店とコラボレーションしたり、ワインやウイスキーのようにオーク樽で熟成させたり、時にはワイン酵母や日本酒酵母を使ってビールを発酵させる。
 醸造長の山田隼平さんは言う。
「多様性こそが、クラフトビールの素晴らしさのひとつだと思っています」

 学生時代は酒を愛する両親の影響を受けて、醸造を専門で学べる大学に通い、ワイン漬けの日々を過ごした。卒業後に敢えてワイン造りの道を選ばなかったのは、ビールに無限の可能性を感じたからとのこと。
「クラフトビールなら、ワインの知識を大いに活かしながら、枠にとらわれない新しい試みにチャレンジできるとワクワクしたのです」
 2019年に26歳という若さで醸造長になった山田さんは、持ち前のバイタリティを爆発させた。
 限定醸造ビールのリリースを加速させ、新たなビールの魅力、面白さ、可能性を追求。「おいしい」、「楽しみにしている」というファンからの声が何よりも励みになった。
 その一方で、山田さんには新たに取り組もうと考えていたことがあった。

反射炉ビヤの醸造長である山田隼平さん。「いつも心にあるのは、どうすればお客様はもちろんビール造りに関わって貰っている全ての方々に喜んでいただけるか、業界を盛り上げることができるか、日本のビール文化、酒文化、食文化に貢献できるかです。挑戦していきたいことが山のようにあります」
反射炉ビヤが大切にしているのは、革新的かつ高品質なクラフトビール造り。「特にここ数年は、後者に力を入れています」と山田さん

伝統を重んじながら、革新的なビール造りを

 基本を疎かにせず、伝統を重んじながら、革新的なビールを手掛ける――。
 1997年の創業以来、継承され続ける反射炉ビヤの理念が、山田さんの胸にはいつもある。
「反射炉ビヤに対して、革新的なイメージを持ってくださっている方は非常に多く、実際に期待して貰えていることに喜びを感じています。ただ、私たちのことをもっと知っていただく上で、あくまでも伝統的なビール造りをリスペクトしていること、品質向上に何よりも重きを置いていることも、お伝えしていければとの思いがありました」
 2019年から2021年が感性の赴くまま我武者羅に走り続けた時代だとすれば、2022年から2023年は技術力と品質の向上にいっそう力を入れた時代だと振り返る。
 醸造工程を一つひとつつぶさに見直し、改善の余地があればすぐさま取り掛かった。時に専門書や文献を紐解き、時に他のブルワーに教えを乞うた。
 これまで以上に雑味のないクリアな味わいを追求する日々――。
 山田さんは確かな手応えを感じ始めると、それまで手掛けたことのなかった伝統的なビアスタイルにもチャレンジした。
「ケルシュ」だった。

1回で1klのビールを仕込める設備。年間120~150klの醸造を行っている

「New World Kölsch」が、「World Beer Awards2023」で金賞を受賞!

「ドイツのケルン地方で伝統的に醸造されている『ケルシュ』は、エール酵母を使いながら低温で時間をかけて発酵/熟成させるという独特の醸造方法のため、とても繊細な誤魔化しの効かないビアスタイルなのです。そのため、ブルワリーの醸造技術のレベルが如実に現れます。だからこそ取り組む価値があると考えました」
 低温熟成させるため日本人が飲み慣れている「ピルスナー」と爽やかな口当たりが似ており、かつエールならではの華やかな香りも楽しめるため、「より多くの日本人に受け入れて貰いやすく、クラフトビールの素晴らしさを知って貰うのに適したビアスタイル」との判断もあった。

「New World Kölsch」と名付け、DREAMBEERにも現在提供しているケルシュが、世界最大級の権威あるビールコンテスト「World Beer Awards」で金賞を受賞したのは2023年のこと。
「ドイツスタイルのビールをアメリカンホップで仕上げるという私たちの新たな試みも評価いただけたことが、とても嬉しかったです。ぜひ、味わってみていただきたいです」
 知識と技術と経験とアイデアとつながりを総動員して、ビール造りを突き詰める――。
 反射炉ビヤのスタンスは、受賞後も変わない。
 ワイナリーやブルワリーとの積極的なコラボ、イベントへの精力的な参加などからもよい刺激を受けながら、よりいっそうの成長を目指している。
「高品質なクラフトビールのおいしさを知っていただく努力を続け、静岡県の大きな魅力の一つにしていきたいです」と山田さん。
 反射炉ビヤのさらなる活躍に注目し続けたい。

世界最大級のビールコンテスト「World Beer Awards 2023」のケルシュビール部門にて、「New World Kölsch」が金賞を受賞した際に贈られてきた盾
オーク樽で熟成させているビールのコンディション確認を行う山田さん。クラフトビールの多様性を追求し続けている

山田さんが「反射炉ビヤ New World Kölsch」「反射炉ビヤ 早雲」と合わせたいフード

通称「New world」 とも呼ばれているラガービール専用に開発されたアメリカの最新ホップ「Lorien」を使用して華やか、かつすっきりとした味わいに仕上げた「反射炉ビヤ New World Kölsch」は、ポテトチップスなどのスナック菓子と一緒に、一日の終わりに自分へのご褒美として楽しんでいただけたら。「反射炉ビヤ 早雲」は「Citra」「Mosaic」「Simcoe」などを使用した「アメリカ産ホップ由来の柑橘系の風味と爽やかな苦味が特徴のアメリカンペールエール。揚げ物と相性が抜群です。タルタルソースをたっぷりかけたフライドチキンやアジフライと合わせてみてください。おすすめです。

DREAMBEERで取り扱っている銘柄