新規参画インタビュー vol.16
~ISHINOMAKI HOP WORKS~
現在、日本全国から200以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でもひときわ輝くブルワリーの成り立ちや、DREAMBEERで新たに扱い始めたビールのご紹介をします。第16回は、宮城県石巻市の「ISHINOMAKI HOP WORKS」です。
石巻から感謝の気持ちを込めて。ISHINOMAKI HOP WORKS
「2011年の東日本大震災以来、全国各地より『エール(YELL)』を貰っている宮城県石巻市から、今度は風に乗せて『エール(ALE)』をお返ししたい」
そんな思いで被災した土地を利用し、栽培したホップを原料の一部に使ってビールを醸造しているのが、「ISHINOMAKI HOP WORKS」だ。
たった数株の苗から始まった栽培だが、今では夏の収穫の時期になると5メートルを超えるホップのグリーンカーテンが農場いっぱいにできるという。
レギュラー銘柄は、DREAMBEERに提供中の「巻風エール」「巻風IPA」「巻風WHEAT」の3つ。いずれもホップ由来の爽やかな香りや苦味を活かした、ボディにキレのあるライトな仕上がりが特徴だ。
石巻産のホップやクラフトビールがひとりでも多くの人の心をつなぎ、宮城、そして東北、さらには全国の元気の一助になればと意欲を燃やしている。
ホップの花言葉は、「希望」
ヘッドブルワーは醸造に関する深い知識と確かな技術、豊富な経験を持つ岡恭平さんが務めている。
「大学時代は農学部で農作物利用学を学び、卒業後は味噌や醤油などの発酵食品を扱う企業の研究開発部門に就職しました。ビールが大好きだったものですから、いつかは自分で造ってみたいとの気持ちがいつもありました」
転機は東日本大震災だった。
勤めていた企業が被災によって事業を方向転換することになり、岡さん自身の仕事内容も大きく変わる可能性があった。
ならばこのタイミングで一念発起し、ブルワーの道を志そうと転身を決めた。
縁あって「仙南シンケンファクトリー(宮城県)」に入社し、ブルワーとしてのキャリアを10年ほど積んだ後、「ISHINOMAKI HOP WORKS」に移籍した。
「『ISHINOMAKI HOP WORKS』のホップ栽培は、震災によって社会的弱者になってしまった人たちの就労支援につながればという想いからスタートしたものです。宮城県出身の私にとって、ここでビール造りに取り組むことは、大きな意義があるのではないかと考えました」
ホップの花言葉は、「希望」だと教えてくれた。
自分たちの取り組みが明るい未来につながっていくことを、「ISHINOMAKI HOP WORKS」は信じている。
原料が持つポテンシャルを引き出すビール造りを
仲間たちが丹精を込めて育ててくれたホップを使う――。
自ずと岡さんのビールに対する愛情もいっそう深くなる。
仕込みは週に2~3回。毎回レシピにほんの少し手を加えながら、仕上がりにどのような変化が生まれるかデータを取って分析し、味わいのブラッシュアップに情熱を傾けている。
「東北魂ビールプロジェクト(東北のブルワリーが結集し、互いの知識や経験をオープンにして技術研鑽し、東北のクラフトビールシーンを盛り上げていこうというプロジェクト)」への参加も、よい学びと刺激の場になっていると岡さん。
「皆で同じビアスタイルのビールを手掛け、気づきや発見などを共有するといった勉強会も積極的に行っており、そこで得た貴重な知見も、『ISHINOMAKI HOP WORKS』のビール造りに活かしています」
原料のポテンシャルを最大限まで引き出せるブルワーになりたい――。
岡さんの目標だ。
特に思い入れの強いホップに関しては、石巻産の品質のよさを、ビールを通じて広く発信していきたいとの思いがある。
「たくさんの仲間たちと力を合わせ、心を込めてビールを造っています。ぜひ一度、味わってみてください」
岡さんが「巻風エール」「巻風IPA」「巻風WHEAT」と合わせたいフード
「巻風エール」は、ホップ由来の柑橘の香りとしっかりとした苦味が特徴のアメリカンペールエールです。フィッシュ&チップスと合わせることをおすすめしたいです。互いの風味がバランスよく調和します。「巻風IPA」は、ダブルドライホップによって香りの深みや複雑みを引き出したウエストコーストIPAです。唐揚げなど、パンチの効いた料理ととてもマッチします。「巻風WHEAT」は、バナナ香を強め、クローブ香を控えめに仕上げたヴァイツェンです。レバーケーゼ(腸詰めにしないソーセージの一種)を合わせてみてください。私自身料理が好きでよくつくるのですが、レバーの旨味や甘味が抜群に合います。ぜひ。
DREAMBEERで取り扱っている銘柄
◆ 巻風エール
◆ 巻風IPA
◆ 巻風WHEAT