ブルワーおすすめのペアリング vol.4
〜鎌倉ビール〜

「鎌倉の代名詞」ブランドの競演

現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。醸造家（ブルワー）の方々に伺った、ご自身がつくったビールを合わせたいお料理をご紹介します。第4回目は、古い歴史と豊かな自然に囲まれた神奈川県鎌倉市で、“鎌倉の代名詞”となるようなビールづくりを行う「鎌倉ビール」のブルワー、澤田直人さんです。

鎌倉ビール

緑豊かな山々と海に囲まれた風光明媚な観光地、鎌倉。ウィンドサーフィンや海水浴などのアクティビティはもちろん、鶴岡八幡宮や高徳院の鎌倉大仏をはじめとした神社仏閣は雄大な歴史をものがたり、川端康成、夏目漱石、芥川龍之介などの文豪たちが創作意欲を掻き立てられた土地としても知られている。

鎌倉ビールは、そんな幾重もの魅力をまとう地に訪れた人にも、そしてもちろん地元の人にも楽しんでもらえる「地元（鎌倉）のビールをつくりたい」という想いのもとに創り上げられた。

1997年、酒店を営んでいた初代社長の今村廣司さんが鎌倉ビール醸造株式会社を創業し、翌年から醸造を開始。二代目の今村仁右衛門さんは、既存のビールの枠にとらわれない試みや知名度をあげるために尽力した。こうして育て上げられた「鎌倉を代表するビールブランド」を三代目の對馬一喜さんが受け継ぎ、「伝統と革新」をテーマに日々研鑽を重ねている。

「鎌倉ビールが大切にしているのは、バランスのとれたビールづくりです」と、ブルワーを務める澤田直人さん。「麦芽、ホップ、酵母にはそれぞれの特徴がありますが、それらがうまく調和するようにしたい」というのが、澤田さんの基本的な考え方だ。

鎌倉には、素材の風味を生かした料理が多い。そんな繊細な香りや味わいの料理に合わせても、料理とビール双方の長所を楽しんでもらえるビールづくりに心を砕く。たとえば、ビールは厳選したホップの香りと麦芽の味わいをきちんと感じさせつつも、少しドライにして料理に合わせやすいように仕上げる、といったようなことだ。

DREAM BEERで提供しているのは、「鎌倉ビール 月」（アルト）と「鎌倉ビール 星」（ペールエール）。前者は創業当時から醸造しているフラッグシップで、ドイツ発祥のビアスタイルらしく麦芽の優しい甘味が特徴的だ。ホップの香りや苦味は穏やかで、カラメルのような香ばしさも持ち合わせる。「アルコール度数は6％ありますが、さっぱりした印象を持たせられるようにつくっています」（澤田さん） 後者はアメリカンホップによる柑橘系の香りが印象的なペールエール。「ホップの華やかな香りを持たせつつ、しっかりと苦味を感じられるバランスを狙っています」（澤田さん）。いずれもビール単体の完成度はもとより、料理に寄り添いどう変化をとげるのかを期待させてくれる。

「鎌倉を表現するビールには、やはり鎌倉を代表するブランドのものを選びたい」と、澤田さんは鎌倉ビールのおともに「鎌倉ハム富岡商会」の商品を選んでくれた。明治33年から鎌倉の地で伝統的なハムづくりを続ける老舗店だ。

焦がした麦芽の香ばしさを持つ鎌倉ビール 月には、3日間熟成させた粗挽き豚肉を使う「旨味きわ立つ熟成あらびきソーセージ」（写真）や、ちょっとピリ辛な「大人の辛さあらびきチョリソー」がおすすめ。

「ビールにはカラメルモルトを使っているので、麦芽の香りが出やすい。たっぷり詰まった旨味を引き立てますし、豚の脂をさっぱりさせてくれます。豚バラ肉を醤油ベースの特製だれで煮込んだ『鎌倉煮』とも合わせてみてほしいですね」（澤田さん）

鎌倉ビール 星には、同じあらびきソーセージでも「レモン風味とパセリのあらびきソーセージ」を試してほしい。「ビールの爽やかな柑橘系の香りが、レモンやパセリと協調しやすいと思います」（澤田さん）

鎌倉ビール 星は、軽やかで繊細な味わいのハムとの相性も抜群だという。鎌倉ハムの職人がプライドをかけた最高峰が、「布巻きロースハム」。ぜひ、鎌倉ビールの造り手が腕によりをかけたビールとともに味わっていただきたい。

澤田直人さんのおすすめハム屋さん

鎌倉ハム富岡商会
https://www.kamakuraham-tomioka.co.jp/

＜コメント＞
「鎌倉ハム富岡商会は、明治時代にイギリス人が鎌倉に伝えた伝統的なハムづくりをいまも大切にしているブランド。伝統を守る姿勢に親しいものを感じます」（澤田さん）

鎌倉ビール をDREAMBEERで購入

■ 鎌倉ビール（月）
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/154

■ 鎌倉ビール（星）
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/155