新規参画インタビューvol.12
~Brewlab.108~

現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でもひときわ輝くブルワリーの成り立ちや、DREAMBEERで新たに扱い始めたビールのご紹介をします。第12回目は、山形県天童市久野本の「Brewlab.108(トウハチ)」です。

山形の魅力を世界に発信するBrewlab.108

その快挙に、驚かされたビアファンは多かったに違いない。
「Brewlab.108」は2020年の醸造開始からわずか1年足らずで、「ジャパン・グレート・ビア・アワーズ」にて銀賞を、「インターナショナル・ビア・カップ」にて金賞とカテゴリーチャンピオンを受賞。以来、山形県産の農作物を積極的に活かした、独自性とおいしさを見事に両立させるビール造りが人気を呼んでいる。
オーナーブルワーの加藤克明さんは言う。
「地元の農作物や生産者(農家)さんを知っていただく機会を生み、また地域活性化にも貢献できる。これもクラフトビールの大きな魅力だと思っています。開発力と技術力に磨きを掛け、世界に山形をアピールできるブルワリーになっていきたいです」

2020年、「#008 Date」が「ジャパン・グレート・ビア・アワーズ」の「その他のビール風味飲料」部門で銀賞受賞、「#006Koji」が「インターナショナル・ビア・カップ」の「Sake Yeast」部門で金賞受賞、さらに「Japan Origin」カテゴリーチャンピオン受賞。センセーショナルなニュースが業界を駆け抜けた。隣は奥様のさおりさん

加藤さんは、学生時代に化学工学を学んだ元エンジニアという経歴を持つ。
「町工場を営む父の背中を見て育ち、自然にモノづくりに興味を持つようになり、将来の道を決めました。キャリアアップのために転職を繰り返しながら、30年近く世界各地の化学プラントの立ち上げや運営に携わっていました」
転機は、石油化学コンビナートでの仕事を任され、サウジアラビアに赴任した時のこと。
「イスラム教の戒律を最も遵守する国での禁酒生活を余儀なくされ、それがおよそ2年続いたのです。私は元々大のお酒好き。これはキツいものでした(笑)。でも禁酒を破ればリアルに百叩きの刑が待っています。だから守るしかない。いつしか仕事以外の時には酒のことを考える時間が増え、気が付けば酒の造り方をインターネットで学ぶようになっており、それはやがて「自ら造ってみたい」との強い想いにつながっていきました」

エンジニアとしてサウジアラビアに赴任していた頃の加藤さん

人と人のつながりが道を拓いてくれる

サウジアラビアでの任務がひと段落し、自分の中で「化学プラントの仕事はやり切った」との思いが生まれたことを機に帰国。外資系の製薬会社に転職すると、いよいよ加藤さんは動き出した。
「新しい勤め先が副業を認めている企業でした。そこで週末をブルワリー立ち上げのための時間に充てることにしました」
加藤さんには、常に大切にしていることがある。それは、「人と人のつながり」だ。
幼い頃から今までにできた友達や、何かに共感できる仲間との出会い、その関係性の継続は、自分の人生において最も優先すべき事柄。新天地となった山形でも素晴らしい出会いがなかったら今の自分はないと実感している。
「日本酒販売店『La Jomon』の熊谷太郎さんのお力添えがあったからこそ、『天童ブルワリー』さんや『月山ビール』さんでの修行が叶いました。紅花染めの伝道師である大山るり子先生や紅花栽培組合の方たちとご縁をいただけたからこそ、地域コミュニティの魅力を知ることができ、紅花を使ったビール造りのヒントを得られ、副原料の生産に自ら携わることの大切さに気づくことができました。皆さんには本当に感謝しかありません」

山形県天童市にある「Brewlab.108」。「1度に仕込めるのは400L。クラフトらしく、要所要所手作業を交えながら醸造を行っています」と加藤さん
山形県の県花「紅花」を収穫する加藤さん。原料の生産にも携わることで、ビールへの愛情がいっそう深くなる

ビール造りには人知を超えた世界がある

「前例のない副原料を用い、今までにない新たなビールテイストを生み出したい」との思いが常にある。
それを創業間もなく具現化したのがDREAMBEERへ提供する人気銘柄「#008 Date」だ。活かしているのは「デーツ」。自分に縁のあるサウジアラビアで日常的に食べられており、また世界広しといえど副原料にしているブルワリーは稀に違いないと考え、使用を決めた。
「鉄分・カリウムなどが豊富なデーツのコクと、カルダモンのスパイシーな香りをバランスさせ、エキゾチックな味わいに仕上げています。気に入って貰えたら本当に嬉しいです」

人気銘柄「#008 Date」の副原料として使用している「デーツ」。「栄養価が高く、クレオパトラの美容食だったとも言われています」と加藤さん

ビール造りの一番の面白さは、自分の想像を超える酵母の働きにあると加藤さん。
「私が長く携わっていた化学工学の分野では、計算を尽くして導き出した答えに、決して差異があってはいけません。しかしビール造りは違います。酵母が私の想像を超えて、どのような味わいを生み出してくれるのか、本当にわくわくするのです。日々、付きっ切りになって変化を見逃さず、手を掛けるところは手を掛けて、委ねるところは委ねる。品質管理を徹底して、リリースのタイミングを見極める。酵母と一緒にビール造りをしている感覚が、とても楽しいです」

2023年、製薬会社を辞した。ブルワリーの経営だけに専念し、全力を注ぐためだ。
夢は第2工場を含めたブルーパブの設立、全国・海外展開。加藤さんの活躍を応援したい。

DREAMBEERへ提供するビールを充填中の加藤さん

加藤さんが「#008 Date」「Yamagata Fruit Weizen」と合わせたいフード

ペールエールをベースに中東のスーパーフード「デーツ」と、整腸作用やリラックス効果を期待できる「カルダモン」で味わい深さを出した「#008 Date」には、肉料理や芋煮、カレーなどスパイスの効いた料理がおすすめです。
副原料に山形を代表する果物、さくらんぼ、ラフランス、りんごをローテーションで使用する「Yamagata Fruit Weizen」は、果実と果汁由来のほのかな甘みと香りが魅力。白身魚のカルパッチョやナチュラルチーズとの相性がとてもよいです。

阿波岐原クラフトブルワリーをDREAMBEERで購入

#008 Date

Yamagata Fruit Weizen