ベルギー郷土料理でペアリング
べルギーの郷土料理と聞くと、ビールファンの多くは「ムール貝の酒蒸し」を思い浮かべる方もおおいでしょう。しかし、日本のフードジャーナリストの中には美食の国として、ベルギーを挙げる方も少なくありません。その理由は、ゲルマンの緻密さとラテンの感性を併せ持つ料理人が多い、ベルギービールの多様性からもわかるように味覚の幅が広い──、等々さまざまあるようです。今回は、そんなベルギーで広く親しまれている代表的な料理をご紹介します。調理方法も比較的簡単ですので、ぜひ、DREAMBEERのビールたちとともにお楽しみください。
カルボナード・フランドル
その名の通り、フランドル(フランダース)地方の郷土料理でしたが、現在ではベルギー全土で親しまれています。フランスの赤ワイン煮込み(ブッフ・ブルギニオン)同様、シチューの原型ともいわれている料理です。日本のフレンチの巨匠もご自身のYouTubeで「大好きな料理」と紹介しています。
作り方はいたって簡単。塩こしょうをした煮込み用牛肉の表面を焼いたらたっぷりの玉ネギとお好みのハーブを加え、お好きなビールで3~4時間煮込むだけ。圧力鍋を使えば時短も可能。
牛肉の煮込み料理といえば、スネを思い浮かべる方も多いと思いますが、DREAMBEERのおすすめは「ネック」です。スネは細い線維と筋が複雑に入り組んでいるので、煮込んで筋のコラーゲンがゼラチン化すると、ポロポロとほぐれる、というか崩れます。それに対しネックは線維と筋が太いため、煮込んで柔らかくなっても(コラーゲンがゼラチン化しても)、比較的大きな塊が残るため、ボリューム感が楽しめます。大きな頭を常に動かす筋肉なので、味わいも濃厚です。そして、一般的な焼肉等には向かないので、多くの場合はひき肉として販売されるため、価格もリーズナブルです。お肉屋さんで「スネ肉」を見つけたら、ぜひトライしてみて下さい。
ビールはベルギービールにこだわらず、お好きなもので。ただ、IPAのような苦味の強いスタイルは避けた方が無難です。
トマト・オー・クルベット
ベルギーのたいていのレストラン、カフェに前菜としてある超メジャー郷土料理です。北海特産の「灰エビ」を使いますが、残念ながら日本では入手困難なので、小エビや白エビで代用しても、充分おいしくいただけます。たっぷりの野菜を敷いた皿に、トマトの中身をくり抜いたカップにマヨネーズやタルタルソースと和えたエビを盛り付けるので“映える料理”でもありますよ。
合わせるビールは、すっきりと爽やかなベルジャンホワイトがぴったりです。
ムール貝のビール蒸し
日本では、馴染みの薄い貝ですが、ベルギーのレストランにはなくてはならないメニューです。ベルギーではストレートにムール貝のおいしさを味わう場合には、ランビックやベルジャンホワイトを沸騰させ、そこにムール貝を投入。口が開いたら皿に盛り、パセリとレモンを振って熱々をいただきます。3大バリエーションはトマト、ニンニク、カレーです。どれも納得の甲乙つけがたい味わいです。そのほか、セロリや玉ネギを油でじっくり炒めたソース(イタリアンのソフリット)をビールと併せ煮込むバリエーションも人気です。
ムール貝は、日本では広島や岩手など牡蠣の産地で養殖が盛んなため「生」の入手も可能ですが、プロの料理人の中には11~12月に北海で採取、冷凍され空輸されたもの好んで使う方もたくさんいます。
これから旬を迎えるアサリで「アサリの香草ビール蒸し」
本文でも触れたように、日本でも養殖されているとは言え、町のスーパーでいつでも購入できるといった貝でないことも確かです。そこで、2~4月が旬と言われているアサリをビール蒸しにしてはいかがでしょう。アサリもワイン、日本酒等の「酒蒸し」が人気メニューですので、ビールが合わないはずがありません。ここでは玉ネギとセロリをじっくり炒めた香草ビール蒸しをご紹介します。玉ねぎの旨味とセロリの清々しい香り、そしてほのかに漂うベルジャンホワイトの酸味とコクをまとった、ぷりっぷりなアサリはやみつきになることうけ合いです。
材料>アサリ (殻付き) 300g
オリーブオイル 大さじ3
パセリ 1束分の葉の部分
玉ネギ 中1個
塩 適量
作り方>
1.セロリ、玉ねぎをみじん切りにする。フードプロセッサーがらくちん。
2.鍋にオリーブオイルをひき、①を弱火でじっくり炒める。焦げ始めたら大さじ2~3杯のビールを注ぎ、焦げを全体に伸ばす。
3.全体があめ色になったら残りのビールを注ぎ沸騰させる。
4.2/3~1/2に煮詰まったところでアサリを加え、口が開いたら塩で味を調え皿に盛る
DREAMBEERで飲めるベルギービール(ビアスタイル)
ベルジャンホワイトはこちら
https://dreambeer.jp/ec/beer?beer_style=52
レッドエールはこちら
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