ブルワーたちの町自慢。
~わが町の楽しみ方①~
「ビール王国28号」より一部抜粋して転載
高原を吹き抜ける風と雄大な自然の中で
鳴子温泉ブルワリー 醸造長 小野岳志さん
こけしラベルの瓶に名物の団子を
東北有数の温泉地、鳴子温泉郷にある吹上高原キャンプ場の一角に1999年、町おこしで地域の特産物をつくろうと開設された鳴子温泉ブルワリー。高原の清涼な空気と「日本一おいしい水道水」にも選ばれた良質の水を生かして「鳴子の風」ブランドのビールを醸造している。モルト感をしっかり出した「高原ラガー」のほか、地元の農家がつくる希少米「ゆきむすび」を使った発泡酒「ゆきむすび」、一般的なビールが苦手な女性にも人気の発泡酒「山ぶどう」を定番としている。
醸造長の小野岳志さんは「さとやま定住促進事業」により鳴子のNPO 法人で活動後、そのまま移り住んでブルワーとなった。そんな鳴子を知り尽くす小野さんが好きなのは緑の季節。「鳴子は紅葉が有名ですが私はグリーンシーズンが一番好き。木々に囲まれた中を高原の涼しい風が吹き抜けていく気持ち良さは最高です」と話す。特におすすめの風景は鳴子ダム。「選奨土木遺産」にも指定された迫力ある構造物と、それをおおらかに抱く雄大な自然の対比は芸術的で、もちろん紅葉も映える。5月の連休時は雪解け水を放水する「すだれ放流」が行われ、こいのぼりとの競演は「鯉の滝のぼり」として知られる。
その鳴子ダムの姿を再現した「ダムカレー」がブルワリー併設のレストランで人気だが、小野さんが「あえてビールとのペアリングにすすめたい」というのが、鳴子名物の「栗だんご」。たっぷりのみたらしあんに浸かった柔らかい餅に大きな栗がゴロッと入っている。その素朴で優しい甘みとビールの相性は絶妙。こけしをラベルにあしらった鳴子温泉ブルワリーのボトルビールに合わせれば、旅の思い出にならないはずがない。
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