フラッグシップビールができるまでvol.12
~DD4D BREWING~

現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。ブルワリーの方々に、DREAMBEERで扱っているビールの開発秘話を伺います。第12回目は、「DD4D BREWING」の「DD4D Hazy IPA」です。

DD4D BREWING

「DD4D BREWING」は、愛媛県松山市の中心地にあるブルワリーだ。松山市駅から徒歩5分程度。松山市のシンボルとして親しまれている松山城の南、「千舟町通り」沿いに「DD4D BREWING & CLOTHING STORE」を構える。

同ブルワリーの代表は、東京・代々木のブルワリー「Y.Y.G Brewery」で3年間初代ヘッドブルワーとして腕を磨いた山之内圭太さん。店名に「CLOTHING STORE」の名が付いているのは、文字通り「アパレルショップの中にブルーパブを造ったから」に他ならない。

DD4D BREWINGは2つの醸造所がある。
ひとつ目はアパレルショップの中にある「DD4D BREWING & CLOTHING STORE」で、500lの仕込釜と同容量の発酵タンクが4本

ここはもともと、1998年から営まれているアパレルのセレクトショップ、その名も「DD4D」だった。山之内さんが家業の手伝いをするために東京から戻り、この地でブルワリーを設立するために物件を探していた頃、気分転換を兼ねて頻繁に通っていた店舗でもあった。

「思うような物件が見つからずに困っていた頃、当時のDD4Dの店長に『ここでビールづくりをすれば?』と言われた記憶があります。半分冗談だったかもしれませんが、具体的にイラストソフトを使ってDD4Dに醸造施設を入れたレイアウトを考えたら、ワクワクして眠れなくなってしまって」と山之内さんは当時を振り返る。

関係者を説得し、事業計画書を作って株式会社JAPANEMIC COMPANYを設立。屋号は「DD4D」を引き継ぎ、2019年5月にDD4D BREWING & CLOTHING STOREとして店舗をリニューアルした。2021年末には、タップルームも併設する第2工場「DD4D FACTORY & CURIOSITIES」で缶ビールの製造もスタートさせている。

第2工場はタップルームを併設した「DD4D FACTORY & CURIOSITIES」は、DD4D BREWING & CLOTHING STORE から電車を使って30分ほどの場所にある。1.2klの仕込釜と同容量の発酵タンクが6本、2.4klの発酵タンクを1本備える

DD4D BREWINGの定番は今のところ6種類。アメリカンホップの特徴を前面に出したウエストコーストIPA「DD4D IPA」、ハラペーニョを使ったIPA「Don Jalapeño(ドン・ハラペーニョ)」のほか、第2工場のある松山市西部の港町「三津浜」で夏に飲みたいビールをイメージした「MITSUHAMA PILSNER」、愛媛県の特産品「伊予柑」を使ったサワーエール「DAILY DOSE」のように地域を意識したビールづくりも行っている。定番のほか、新作ビールの醸造も盛んだ。

地元の食材を含め、使ったことのない原材料を使ってビールの可能性を広げたい──というのがDD4D BREWINGの目指すビールづくりだ。

“ちょうどいい”を求めて改良は続く

DREAMBEERで提供している「DD4D Hazy IPA」は、定番商品のひとつ。グラスに注いでいる最中から甘い香りが漂うヘイジーIPAだ。口に含むとマンゴーや桃、パッションフルーツ、シトラスのような香りに包まれる。ホップは「シムコー」、「サブロ」、「アイダホセブン」らのアメリカンホップを使い、口当たりをなめらかに仕上げた。

Hazy IPAは醸造を始めてから何度もつくってきたという。「定番にするにあたっては、バランスを重視しました。個人的にはサブロが醸すココナッツのようなニュアンスが気に入っています」と語る山之内さんだが、このバランス──甘すぎず飲み飽きしない、それでも満足を感じてもらうボディに仕上げるために、酵母やホップの種類・組み合わせを変えるなど、細かい点を何度もコツコツと調整する必要があった。

たとえば、ホップを多く入れると香りは強くなるが、渋味が出てしまうことがある。また、ペレット状のホップが液体を吸ってしまい、出来上がったビールの量が減ってしまったりもする。まずは味わい・ボリューム双方から“ちょうどいい量”を決めるのに手間取ったという。

「それこそ何十回と調整と重ねてきています。Hazy IPAを飲んでいただくと、ホップのアロマ、ビールの柔らかな口当たり、ホップのフレーバー、麦の余韻──これらが順番に、どこかが飛び抜けることも足りないこともなく、スムーズに感じられることを意図してつくりました」(山之内さん)。

DD4D BREWING代表の山之内圭太さん。
「すべての仕事において、自分たちが楽しめるかどうかが大切。自分たちが飲みたいビールを楽しくつくって、それをお客様にも楽しんでもらいたい」と語る

DD4D BREWINGでは、このHazy IPAに限らず、しっかり作り込んだレシピを細かく記録し再現性を重視する。2021年から導入した缶ビール製造では均一なガスボリュームが求められることもあり、先ごろ溶存酸素および二酸化炭素計を導入、感覚に頼るのではなく数値を判断材料にすることで品質の安定を図っている。

「今年で4年目を迎えましたが、各々のプロセスでひとつひとつ意味や効率を考えながら、品質向上のために改良をし続けているところです」と山之内さん。飽くなき追求の姿勢は、ビールづくりの精度の高さにつながり、より品質も向上するだろう。もちろん、Hazy IPAも決して例外ではない。

山之内圭太さんがDD4D Hazy IPAに合わせたいフード

ハンバーガーやタコスとの相性が抜群です。ほかにもカマンベールや、ココナッツ料理のような濃厚な味わいの料理に合うと思います。

DD4D BREWINGをDREAMBEERで購入

■ Hazy IPA
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/186

■ IPA
https://dreambeer.jp/ec/beer/detail/246