日本のブルワリー探訪 vol.06
~あわぢびーる~

現在、日本全国から100以上の銘柄を皆様にお届けしているDREAMBEER。その中でも長きに渡り日本のクラフトビールシーンに貢献してきたブルワリーにスポットを当て、各々がビールづくりで大切にしている考え方を中心にご紹介します。第6回は、兵庫県淡路市の「あわぢびーる」です。

淡路島の気鋭のブルワリー、あわぢびーる

「あわぢびーる」は、兵庫県神戸市と淡路島を結ぶ「淡路海峡大橋」が開通した1998年、淡路島を広くアピールしていくことを目的に開業した。
 手間暇を惜しまず、酵母が働きやすい環境づくりに心を砕き、麦の風味を活かしたビール醸造を続けている。
「淡路島に観光にいらっしゃるお客様は、特に夏場に多くなるものですから、スッキリとした飲み口にも配慮しながら仕上げるように心がけています」と副所長を務める合田祐也さん。ブルワーになって3年目。お客様からの「おいしい」の声が何よりもモチベーションにつながっていると微笑む。

師弟関係にある所長の片山輝彦さん(左)と副所長の合田祐也さん。味わいと品質のアップデートに余念がない

現状に甘んじず、試行錯誤を重ね、おいしさを追求

「私は2018年入社。最初は『あわぢびーる』の営業を担当していました」
 合田さんの担当エリアは大阪。人気のブルワリーが多く、契約を増やすのは決して簡単なことではなかったが、とてもやりがいを感じていたと振り返る。
 転機となったのは2020年。ビールイベントで他社のブルワーと話す機会が増え、段々と「自分も手掛けてみたい」との思いが募り、やがて抑えられなくなった。
 思い切って会社に相談すると、異動の許可を得ることができた。当然合田さんは燃えた。
「ブルワーさんたちの溢れる情熱に触れる度に、カッコいいと憧れました。自分などまだまだですが、上長の片山に教えを受けながらスキルアップに日々努めています」
 日本を代表する名だたるブルワリーにも積極的に研修に出かけている。
 貪欲に知識を得、レシピづくりや醸造工程一つひとつを深く掘り下げながら、さらに多くの人に喜んで貰える「あわぢびーるならではの味わい」を追求し続けている。

淡路島の海の波音を聴かせるビール造り

 醸造をスタートして21年目となった2018年。
 あわぢびーるはラベルを「よりクラフトビール感を意識したデザイン(淡路島から太陽が昇るイメージ)」に一新した。
 そして同時に、醸造工程に斬新なアイデアを取り入れている。
「アイランド製法と名付け、淡路島を代表する景勝地『慶野松原(約5万本の淡路黒松が生い茂り、砂浜が約2,500mのびる白砂青松の松原)』の海中で波の音を採取し、発酵・熟成タンクの中の酵母たちに聴かせています」と合田さん。
 波の音は母親の胎内音によく似ているため、安心感や癒しをもたらすと言われている。どのような効果が生まれるのか、継続的にテイスティングを繰り返し検証中とのことだが、酵母が生きものであるからには、きっと味わいにいい影響が生まれているに違いない。
「ちなみにあわぢびーるは開業以来、加熱処理を行わずに無濾過でビールをリリースしています。酵母由来の豊かな風味もぜひご堪能ください」

淡路島の海の波音を聴きながら、酵母たちがタンクの中で発酵・熟成中
確かな品質のビールを届けるために、入念にテイスティングを行っている

座右の銘は、「日々成長」

 現在、DREAMBEERへ提供しているのは、淡路島産の「アレンユーレカレモン」の果皮を副原料に使用した「あわぢびーる 島レモン」と、醸造量の8割が淡路島内で消費されているという「あわぢびーる ピルスナー」。6種のレギュラービールの中でも特に人気の高い銘柄とのこと。
「全国での認知度をもっともっと上げられるよう努力し、淡路島を盛り上げていきたいと考えています。その意味ではDREAMBEERさんとのご縁がいい結果を生んでくれるのではないかと期待しています。個人的には手掛けたことのないビアスタイルにも挑戦していくなど、ブルワーとしての幅を広げていくのが目標です」
 日々成長――。
 これは合田さんの胸にいつもある、高校の卒業式の日に恩師から貰った言葉だという。
 そうありたいと全力を尽くす日々。合田さんの成長が、あわぢびーるの魅力をさらに高めていくことは間違いない。

「あわぢびーる 島レモン」の副原料、淡路島産の「アレンユーレカレモン」。「香りの強い品種で、果皮のみを使用しています。果皮の粉砕の塩梅で香りの強さにどのような変化が生まれるか、仕込みごとに微調整しながら研究しています」と合田さん

合田さんが「あわぢびーる 島レモン」「あわぢびーる ピルスナー」と合わせたいフード

 副原料にアレンユーレカレモンをたっぷり使った爽やかなフレーバービール「あわぢびーる 島レモン」は、ベースにしているウィートエール(アメリカ発祥の白ビール)の酸味とレモンの酸味、フルーティーな口当たりが特徴で、旨味たっぷりのアクアパッツァやさっぱりとしたサラダなどの前菜料理と合わせるのがおすすめです。

 ビール王国の創刊から連載を担当し、芸能界きってのビール通として知られるタレントの眞鍋かをりさんも、その連載の中で「淡路島の農園のレモンが爽やかで、フルーティーさがクセになってしまう。ビールの造り手さんだけでなく、レモンを作っている農家さんの思いも込められているのを感じる」と綴っている(ビール王国38号『眞鍋かをりの旅先ビール/原点の海の島で出合った香り高きビール』より抜粋)

 すっきりとした飲み口と程よいコクを楽しんでいただけるよう味わいを追求している「ピルスナー」は、和食でも洋食でもマッチしますが、唐揚げなどの揚げ物は特に相性がよいです。

DREAMBEERで購入

◆島レモン

◆ピルスナー

◆ヴァイツェン